ビデオデッキが生産終了となって、手持ちのビデオデッキが壊れたらビデオテープが再生できなくなってしまうので、実家にあるかなり大量のビデオテープを本格的にデジタル化してみることにしました。(私が撮りためたものではないのですが・・・)
ただ、普通にビデオキャプチャーでPCに取り込んだままだと、1時間で約4GBとなり、1本6時間で録画しているビデオテープでは約24GBになってしまい、ビデオテープ100本で約2.4TBと外付けハードディスクがすぐにいっぱいになってしまいます。
いままでのmp4形式はH.264規格らしいのですが、これを2013年頃から広まり始めた新しいH.265規格のmp4形式へ変換すると、10分の1ぐらいのサイズまで、圧縮することができることがわかりました。
(そうなると、映像の劣化や音声のズレが気になりますが、個人的にはまったく気付かないレベルで変換してくれます。)
この形式に変換してしまえば、ブルーレイディスク1枚(22.5GB)に55時間分ぐらいの情報が収まるので、6時間のビデオテープが9本分も入ります。ドン・キホーテのBD-Rメディアは52枚(約1.1TB)で2千円ちょっとで売っていますが、nojimaなどでBD-Rメディア50枚(Verbatim VBR130RP50V1 6倍速) が2200円ぐらいで販売されており、これに約450本分のビデオテープのデータが収まることになるので、かなり金額的にも保管スペース的にもコンパクトになると思います。
※外付けハードディスクよりも、いまのところ安価で耐久性がよいので、ブルーレイディスクを使っています。なお、ブルーレイディスクはパソコンでのみ再生可能な形式となり、家電のブルーレイレコーダーなどでは再生できません。
ただものすごく時間がかかり、手間もかかります。それを簡単にまとめたのが下の表です。
タイトル | 概要 | 使用する主なアイテム | 時間の目安 |
①取込編 | 大量のビデオテープをPCに取り込む | ビデオキャプチャー機器 | 6時間テープであれば、取込にも6時間かかる |
②変換編 | 取り込んだデータをffmpegを用いてH.265規格のmp4に圧縮変換 | 自作Powershellプログラム (コマンド実行を自動化) | (私の場合、6時間テープは9時間ぐらい) 6時間テープは90分ぐらい |
③保存編 | 動画をサムネイル静止画で分割キャプチャにして、動画とともにブルーレイディスクに書き込み保存 | 自作Powershellプログラム(23.032GB単位にフォルダ仕訳) | ブルーレイディスク1枚への書き込みに |
「②変換編」と「③保存編」の手間を省くため、自作のPowershellプログラムを作成しました。自作のPowershellプログラムは次回ご紹介するとして、今回は「①取込編」としてビデオキャプチャを用いて、ビデオテープを外付けハードディスクに取り込む手順をご紹介します。
ビデオキャプチャ機器
ビデオキャプチャは、ビデオデッキで再生している情報をデジタル変換するための機器であり、私はio-data製のものを2種類使っています。
どちらかというと、「(1)USBタイプ」の方がおすすめです。機器が安いし、「②変換編」でmpg形式のデータの方が3倍ぐらい早く変換できるためです。
次のio-dataのページが参考になります。
(1)USBタイプ(GV-USB2)
パソコンにUSBにつなぐタイプのものです。3000円以内で買えるので、これで十分だと思います。
次のようなイメージでつなぎます。私の場合、パソコン側には外付けハードディスクをつないで、そちらにデータを直接保存するようにしています。
なお、パソコンはpc-netで購入した中古デスクトップで2万円以内のものを使っています。
ポイント
・『Light Capture』というキャプチャ用のソフトが付属します。ビデオデッキでテープを最初から再生して、パソコン側でキャプチャ録画を開始します。タイマー機能を用いて、再生時間が終了となる時間をあらかじめセットして、その時間になったらキャプチャ録画を停止するようにしています。音声をきって、流しっぱなしです。
・シンクロ録画の機能がありますが、これは再生したタイミングでキャプチャ録画が開始されるのではなく、ビデオデッキがOnとなったタイミングでキャプチャ録画がはじまり、Offになるとキャプチャ録画が停止する機能です。再生されていない状態だと、青い画面を永遠とキャプチャ録画することになるので、要注意です。
・Mpeg形式で、ファイル名は「2017年4月5日20時15分40秒.mpg」といった形で保存されます。
・外付けハードディスクは、NTFS形式でフォーマットしておきます。そうしないと、1ファイルにつき4GB以上(1時間ちょっとしか)保存されません。
(2)パソコン不要なタイプ(GV-SDREC)
パソコンが不要なタイプで、機器自体には画面がないので、HDMIケーブルでテレビとつないで利用します。
次のようなイメージで接続します。
ポイント
・パソコンを使わないだけで、(1)とやる流れは同じです。
・シンクロ録画の機能がありますが、これは再生したタイミングでキャプチャ録画が開始されるのではなく、ビデオデッキがOnとなったタイミングでキャプチャ録画がはじまり、Offになるとキャプチャ録画が停止する機能です。再生されていない状態だと、青い画面を永遠とキャプチャ録画することになるので、要注意です。
・mpeg4形式(H.264規格)で、ファイル名は「IODA0001.MP4」といった形で約4.2GB(約1時間半)ごとに保存されます。
※(1)よりも圧縮率は高めですが、それでもファイルサイズは大きいです。
・外付けハードディスクは、FAT32形式でフォーマットしておきます。さらに「GV-SDREC」で操作して専用のフォーマットをします。
・外付けハードディスクは、2TBまでしか対応していないようです。
・キャプチャ録画したデータはテレビで再生可能であり、外付けハードディスクをパソコンにつなげば、パソコンでも再生可能です。
注意点
HDMIケーブルで接続しているため、キャプチャ録画が終了したタイミングなどで、テレビがOnになったり、テレビのHDMIのモードが切り替わったりします。
よく使うテレビにつなぐと不便なため、テレビとHDMIケーブルで接続するのはあきらめて、(1)で使用しているパソコンのモニタに次の機器をつないで、テレビの代わりに使用しています。
モニタの切替機 | HDMIをVGAに変換 |
1台のモニタに2つの機器を接続することができます。 | これを使うとVGAのモニタがテレビの代わりになります |
取込作業
実家にビデオテープが置いてあることもあり、定年退職した親に協力してもらって、ビデオテープの再生とキャプチャ録画をお願いしています。
上記(1)(2)の機器を用いて、一日に計4本はビデオテープの変換ができており、外付けハードディスクの容量がいっぱいになったら、外付けハードディスク2本をまとめて配送してもらい、残りの「②変換編」と「③保存編」の作業を私の方で行っています。
その間、実家では別の外付けハードディスク2本で取込作業を続けてもらっています。
これの繰り返しで、既に1000時間ぐらいのビデオテープを変換して、ブルーレイディスク20枚への書き込み保存を終えましたが、まだまだビデオテープが残っている状況です。道半ばですが、親にも感謝しつつ、テープを大量に廃棄できる爽快感をかみしめながら、引き続き頑張ろうと思います。
次回は「②変換編」
ffmpeというツールを使って、取り込んだビデオデータをH.265規格のmp4形式に変換しますが、コマンドタイプで実行することになり、毎回コマンドを手動で実行していては、いつまでたっても終わりません。
これを自動的に実行してくれるPowershellプログラムを作成しましたので、公開したいと思います。
私にもできた!ビデオテープをコンパクトにデジタル化<②変換編>
以上、参考になれば幸いです。